『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 「ピシャッ」


 権田教授は…ブツブツいいながら研究室の扉を荒々しく閉めて居残りの作業を言い渡し出ていった。

 足音を激しく立てて去っていく音を聞きながら…私はひたすら資料に溜まる埃を払い書類を年代別に振り分けていく…。


 やがて時計は…夜20時をさそうというころ…権田先生が再び研究室の扉を開ける頃には…最後の書類の一枚を室町時代に乗せ作業完了となった。


 「全て年代別にわけておきました。」


 権田教授は私が並べた資料を見回した。

 私は…それを固唾をのんで見守る。


 「うむ…。
 まあ…いいだろう!
 生駒はそういえば…マスコミ志望だったな!」


 「はい…。そうですけど…それが何か…?」


 突然…ふられた質問にビクビクしながら答えた。


 「メモの用意を…。」


 権田教授に言われて私は…バックの中のメモ帳とペンを取り出して慌てて構えた。


 「お願いします…。」


 準備を整え教授の話を聞く。


 「次の週末に京都の四条にある本能寺跡の遺跡で非常に興味深い発見があって…それを発表するのが私の大学院時代からの友人なんだ…。



< 11 / 649 >

この作品をシェア

pagetop