『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「えっ…。」
私は…権田先生の話に驚き声をあげた。
「この事は…まだマスコミに公表はされていないのだが…是非手を貸して欲しいというからな…。
来週の日曜日にどうかね…?」
「はあ…。」
日本史に詳しくない私には…権田教授の誘いに空返事で言葉を続ける。
「あの…。
それは…私も一緒に京都に同行という事ですか?」
その言葉に再び顔をしかめてギョロとした目で睨まれ私は口を噤んだ。
「日本史サークルの連中との同行でも良ければだが…ただし…遊びに行くわけではなくあくまでも研究の資料を作成する為に助手として連れていくのだから遅刻や退屈だからといって居眠りは許さんからな!」
なんだか…私は断れない雰囲気を感じ渋々返事する…。
「あっ…。是非…行かせて頂きます!」
教授はその言葉に頷き予定が記入されている用紙を渡された。
「くれぐれも時間厳守で頼むよ!」
教授に念を押されお礼をいい研究室を後にすると…やっと開放感を感じて背伸びした…。
“ブブーブブー”
携帯のバイブに気づき私はバックから携帯をとりだした。