『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「さよう…。
少なくとも現場に残された陣の状況をみても…幾つかの化学現象で説明できる物もあるらしく…もしそれを織田信長が知っていて行っていたとすれば…彼は誰よりも早く化学や物理の力を経てこの現代にタイムスリップする術に関わっていたかもしれないという事だ。
彼の夢は…天下統一の夢を果たす神器に物理や化学を統合した技術を身につける事だったのでは…と私と戸塚教授は見解しているんだ。」
「タイムスリップ…。」
そのワードに息をのみ呟いた。
「でもその時代にいくら西洋だといっても…タイムスリップまで考える思想があったかどうかが問題ですよね。」
徳家君は興奮して声を震わせた。
「確かに…だから実証はされた事もないが…ただいくつかの思想的要素で考えられたXファイル的な物を魔法と呼んでいたならば…伝道者達も自分達の国では実証できなくても日本でそれを実証する場所として後ろ盾したのなら話はわかるだろう…。」
権田教授の言葉に私達は…声も出さずに頷いた後…権田教授も頷き再び話を続けた。