『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「徳川家康が鎖国にしたのも…もしかして伝道者達が日本を異教を立証する為の場所だという事がわかったからというのも考えられる話だ。
実際…家康はエリザベス女王の使者を通じ関ヶ原の戦いに勝利したのでは…という仮説もあるが…もしエリザベス女王がこの伝道者達の異教の動きに気づき…それを家康にふっかけたなら用心深い家康の事…鎖国条令を呼びかけ日本を異教の実験台から守ったんじゃないだろうか思ったんだ。
これも…もちろんただの仮説ではあるけどね。」
「はあ…。
ナルホド~!?」
壮大な話に私は感嘆をついた。
「生駒君には…ちょっと高度だったかな…。」
話についていくのが精一杯だった私を悟った権田教授が気遣ってくれた言葉に渇いた笑いを浮かべてごまかした。
「あっ…。
そういえば…!?
また…生駒さん例の吉乃の夢を見たそうなんです。」
「えっ…。
ちょっ…ちょっと徳家君!!」
突然切り出した夢の話に私は思わず声をあげた。
「大丈夫…。
自信持って…!」
徳家君は小声で呟いて背中を押してくれた。