『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


まだ寝ぼけた頭の中で諷馬の言っている意味が分からずオウム返しに聞いた私にガタガタと身を震わせて諷馬は慎重な面持ちで話始めた。



 「それが…鳥の囀りがやたらうるさくて目が覚めたら徳家先輩が運転してるトラックの後ろに鳥達がとまっててさあ…。

 珍しい事もあるもんだなあ…って思って見てたんだけど…鳥達がやたら…トラックのドアばかり見てたから徳家先輩を起こして扉を開けたら鳥達が中に入っていっちゃってさ…!
 徳家先輩と二人で中に入って鳥を追い出した後トラックの後ろの扉を閉めて車に眠ったんだ。


 でも…なんだか何者かの視線を感じて寝付けなくてふっ…と目が覚めたら姉ちゃんを男が窓から見つめててさ。

 俺に気付いて姿を隠したから…俺そのまま車からでて一周して確認したけど見つからなくてさ。
 運転席に戻ったら姉ちゃん寝てたからトランクから権田教授から用意してもらった毛布を取り出した時…またもやフロントガラスから姉ちゃんの事をみてたからさ…。
 今度は逃がさないって思って追っかけたらあっという間に消えたんだよ。
 俺気味悪くなってさ…。
 トランク閉めた後姉ちゃん起こしたって訳だよ。」
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