『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
謎の逃亡劇~その6~(逃亡者の足取り・後編)
京の街並みなる異国の地を行くあてもなくさまよっていたが…時が立つに連れ人通りも少なくなってきておりました。
“今日の寝床を探さねば…。”
人通りの少なさと夜空が一層濃くなり始めた様子から夜更けの訪れを感じとり寝床を見つけるため寺を探す事になったのでございます。
しかし困った事に異界の地の寺は、呼べど叫べど門扉を開けずじまいで人の気配も感じない。
たまたま‥人がいたとしてもパンフレットなる紙を渡されて寺の開いてる時間を告げられ追い返されたり…といった調子であてもなく次の寺をさまよい歩くといった状況を繰り返していたが…ついに力つきひとまず神社の境内に寝泊まりする事になされました。
飲まず食わずの状態で‥歩き続けていたせいか神社の境内の石造りの長イスに腰を下ろしひもじさをこらえて眠りについた時人の気配を感じ石の灯籠に身を隠して様子を見た。
殿と同じ背格好くらいの若い男が1人‥何やら変わった袋にモノを手に持ち音をたてながら、いそいそと神社の境内を歩く様子に殿はその男の前に姿を現した。
「止まれ!?」
「うわあっっー!?」
いきなり男の前に現れた殿に驚きその若い男は驚いて声をあげ腰をぬかした。