『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「心配にはおよばぬ…!
少しばかり尋ねたいのだが…!」
恐怖におののいた調子で…腰を抜かしたままの若い男は後退し身を震わせた。
その様子を眺め持ってきた巾着袋を取り出しその者の目の前に投げた。
チャリーン
地面に金判が跳ねよい音を鳴らし光った様子にその若者は…おそるおそる手にとり不思議そうにみたところで尋ねられた。
「これ…何?」
唇を震わせながらも物珍しそうな様子で金判を舐め回しながら眺めた様子に、金判も知らぬ身分の低い者だと悟り若者に答えた。
「それは…金判というものじゃ!
お主にやる代わりに幾つか教えてもらいたい事がある!」
「き…金っーーー!?」
若者は金判を手にとり…金判に噛みついて感触を確かめ歓喜の声をあげた。
「ホンマ…!?
これいただけるんですか?」
「ああ…!
ただ幾つか尋ねたいのだが…そなたの持っているその袋はなんだ?」
驚いた表紙に地面に落ちた袋を指差して尋ねた殿に首を傾け若者は答えた。