『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 「えっ…!?
 レジで精算するんだよ…!」


 若者が言っている意味が分からず殿は再度聞き返した。


 「なんと…?」


 「だから…あそこで金払うんや!
 あんた…?
 コンビニ初めてなん?」



 若者はレジなる場所を指差して不審そうに答えた。


 「かたじけない…。
 ここより文明の遠い国からきたばかりで…こちらの事がまだわからぬ…!」


返ってきた殿の言葉に不審な思いを抱きつつ…殿の言葉に納得した若者は殿の背後に手を回し何やら皮地の物を取り出した。


 「財布持っとるやろ!
 これで…払うとええわ!」


 「財布…。」


 いつの間に入ってたかわからぬ皮地の財布という物を渡された殿は…それを物珍しそうに受け取り若者の案内でレジなる前に立った殿に丁寧にお辞儀をした様子に殿はコンビニなるとこが夜市だと悟った。


 売り子らしい男は…先ほどの穴だらけの入れ物から殿が揃えてもらった物を何やらおかしな淡い赤い光を放つ道具にあて次々と入れ物の中から出していった。


 「お会計は…800円となります。」


 「800…円?」


 殿の様子に隣に控えていた若者は…財布の中より紙切れをだして売り子に渡した。




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