『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
―――それとも…。
えーと‥。
記憶を辿りながら‥数時間前の事を洗いざらい思い出す。
…確か…。
徳家君の運転してきたレンタカーのトラックに何者かがいたんじゃないかという話から…ホテルに駐車場に皆で異動した後…諷馬の愛車のトランクの背後に鳥達が集まっているのに気づいてトランクを開けたら…布で作った覆面姿の人が中からでてきたと思ったら…いきなり大型バイクのライダーが暴走してきて…その後…。
「う………ん…。
どっちが…正しいの?
暦の話…?
それとも…襲いかかってきたライダーの事…??」
どちらが正しい記憶なのか…考えれば考えるほどわからなくなり頭を抱えた。
「…突然…得体の知れない二輪の乗り物に跨いだ者に追われた後…助けられて気を失われてしまったのです…。
それから京都府警の方々に保護されここへ来ました。」
頭を抱え困惑する私の様子に見かねた濃姫は…ここに来るまでの一連の流れを簡単に話てくれた。
「…そうかあ…。
じゃあ…。
あれは…夢…。」