『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「…夢…?
今…夢…と申されました?」
「えっ…。
ああ…。
うん…。」
濃姫の言葉に私は…曖昧な返事で答えた後…先程見た夢の内容を話した。
話を聞き終えた濃姫は‥無表情のまま立ちすくした。
何となく重い緊張感が漂い始めるのを感じた。
確かに夢の内容だけ聞けば…私が吉乃ですって宣言する内容だし…しかも…濃姫と名乗れど…まだ本人かも決まっているわけではないのに…こんな話されちゃって迷惑かも…(汗)
いやっ‥。
例えもし‥本人だとしたら‥正室差し置いて正室宣言されたなんてただの妄想話だったとしたら‥大問題じゃん!?
ヤバッ…!?
やっちゃったかなあ…(汗)
濃姫の薄い反応に危機感を感じ‥喉を鳴らして生唾を飲み込み彼女の顔色を窺った。
「…ひとつだけ…聞いてもよいですかっ?」
一呼吸間を置いて呟いた言葉が…病室に響いた。
「ええ…。
ど…どうぞ…。」
苦笑しながら答えた私に真剣な眼差しで尋ねた。