『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「夢で拝見の儀の事…暦の事を見たのですか…?」
真剣な表情に…私は覚悟を決めて頷いた。
「ええ…。
私…そこで…。
吉乃だったし…病気の痛みもリアルに感じたし…今も正直…。
あまりリアル過ぎて夢の中と現在で起こってることが分別できない程記憶が混沌してて…正直どっちが現実だかわからない感じなの…。
信じてもらえるかわからないけどね…。」
嘘をついても仕方ないと…思い濃姫の言葉に対して今の想いを素直にぶちまけた。
すると………。
「生駒のねえ様!?
濃は…。
濃は…お会いしとう御座いました!?」
突然…。
濃姫が私の体をきつく抱擁してきたのだ…。
…ガツッ…。
そして…。
何よりも驚いたのは…濃姫に抱きしめられた勢いで…何やら胸元にある固い何かに思いっきりぶつけて鈍い音をたて痛みが顔面に広がってあまりの痛さに私は顔を押さえた。
「も…申し訳ございませぬ!?
つい…嬉しさからこの存在を一瞬忘れてしまいましたわ…。」
鈍い音に気付いた濃姫は…慌てて私を胸から離し顔を押さえた私に謝った。