『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「だ…大丈夫…。
ちょっと…驚いたけど…。」
鼻先に衝撃をくらい押さえながら苦笑いを浮かべた。
「本当に…申し訳ありませぬ…。
実は…。
これ…。」
そう言いながら…周りをキョロキョロと見回すと胸元に手を突っ込み黒い入れ物を取り出した。
「これが…。
夢の中でも話をしていた…例の暦に関するモノでございまする。」
濃姫が胸元から取り出した黒い箱のようなモノを差し出され…私は会釈を軽くして受け取った。
その箱は…漆黒の漆塗りで全体を艶やかに塗りつぶされており形は細長い長方形…。
フタの部分には…桔梗の花の絵が描かれいてほのかに香り袋の香りが漂ってきた。
「これは文箱と申しまして…文をしまっておくものでございまする。」
「へえ…。
これが…文箱かあ…。」
濃姫から説明されて呟いた。