『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「姉ちゃん!?
倒れたって聞いたけど…大丈夫…??」
「いやあ…。
あんたも気絶してたみたいだけど…大丈夫…?」
病室に入るなり私の身を案じ尋ねた弟…諷馬と数時間ぶりに言葉を交わした後…徳家君と諷馬の背後にいる中年男性に視線を移した。
「あっ…。
こちらは京都府警の署長さんで…例の事件を担当している統括責任者…半田刑事だよ。」
私の視線の先に気付いた徳家君は…彼らの背後にいた半田警視を紹介した。
「…京都府警署の警視総監‥半田 重治〈ハンダ シゲハル〉と申します‥。
お話は戸塚教授から聞いてますわ…。
今回は‥例の事件にご協力して頂きほんまありがとう…。」
胸元からまるで‥刑事ドラマのように警察手帳を出し流暢な関西弁を並べて丁寧に名乗った。
「いいえ…。
あのっ…。
生駒 真帆と申します。」
半田刑事に自己紹介を受けて名刺を受け取った私は‥一礼して自分の名を名乗り終わった頃‥体温計の音がなった。
「お熱は平熱血圧が高めみたいですわ‥。
今日は‥検査入院でこのまま病院に止まって結果がでてから退院という事になりますさかいお身内か誰かに手続きしてもらわへんとですけど‥。」
「俺でも‥いいのかなあ?」