『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
血圧を測り終えた看護士さんは体温計を受け取り検査入院の事を告げられ…皆で顔を見合わせると視線は諷馬に集中したのを感じ諷馬が名乗りを上げた。
「ご家族の方ですか?
ほな…こちらへ…。」
看護士さんはそのまま諷馬を案内して…病室を出て行ったのを確認した半田刑事は口を開いた。
「いやあ…ほんま…。
今回は…謎の逃亡劇に走らされましたわー。
…せやけど無事に確保できてなんとか安心ですな…。」
半田刑事は…大きくため息をついた後笑った。
「あっ…。
あの…例の逃亡者どうなったんですか?」
半田刑事の言葉によりによって数時間前に例の逃亡者にお姫様抱っこされた場面を思い出して首を竦めた。
「いやいや…。
それが…なぜかこの事件国が動きましてな…。
捜査も容疑者確保で終わりですわ…。」
半田刑事は…よく聞いてくれたとばかりに答えて頭を掻いた様子に私は尋ねた。
「…お蔵入り…?」
私の言葉に近くにあった椅子に腰掛けた半田刑事は再び話始めた。