『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 「それが…謎の逃亡者に焦点を当てて…わてら動いてましたからな…。
 そこに…あんたらを襲った謎のライダー現れましたやろ?


 これは…もうホシを一度整理するしかありませんわな…。

 謎の逃亡者にしても…まあみんな金判もろうてだいたい示談しておるし…本人とも話たらただ衣を交換しただけだというし…まあ…その辺突き詰めても結局強奪した訳じゃない被害者がアリバイを成立してくれておりますからな…。

 彼が持ち歩いている“金判”も自分の持ち物といっておりますしな‥。

 それに‥。


 ここだけの話‥。」


 声を潜めて私にちょいちょいと手招きして耳打ちをしてきた。



 「実は‥本能寺後で見つかった寺の鐘についていた指紋と‥彼の指紋が一致しましてしかも‥寺の鐘についていた指紋は‥はるか400年前っていうから驚きですわ…。」


 半田刑事も首を横に振りお手上げといった感じで手を上げた。


 「じゃあ…。
逃亡者は‥事実上容疑者じゃなくなったって事…ですか?」
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