『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
また…再びちょいちょいと身を寄せて声を潜めて話し始めた。
「…それが…頭を打ったみたいで全身打撲やったなんやけどな…。
救急車の中で応急処置を受け取る時…目が覚めたらしいんやけど…いきなり苦しみだしたみたいなんやけどな…。
隊員達の決死の処置も虚しく…そのまま帰らぬ人になってもうたみたいなんや…。
それで…病院に運ばれてきて…衣服のポケットから毒薬の包み紙がでてきて解剖した鑑識の結果自殺と断定したわけやけど…薬の包み紙からライダー以外の指紋が検出されたんやけど…その包み紙に犯行を匂わせる時間と場所が書いてあったんや…。
せやから…この事件何等かの組織が裏におるんやないかと考えとってな…。
それで…例の逃亡者を保護しながらその黒幕を突き止める事で俺が戸塚教授と権田教授に続き彼の身辺を警護する事になったんや…。」
「えっーーーーー!?」
「しっ…!
声が大きいよ‥!」
半田刑事の話に驚き思わず声を上げた私に‥一緒に話を聞いていた徳家君が慌てて注意したのに“ごめん‥”と謝って手で口を覆った。