『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「わかりました…。」
イロイロ聞きたい事あったけど…これ以上聞いたらいけないと悟り…芽生えた想いと共に断ち切り重く言葉を返した。
「いや…。
なんか…悪いこというとる気分になってもうな…。
堪忍や…。」
半田刑事は…突然深々と頭を下げて謝った。
「仕方ないですよ…。
私達このまま事件に関与してても…何も出来ないし…もしかしたら足手まといになるかもしれないですしね…。」
精一杯…。
作り笑顔で言葉を放った。
胸が…ぐっと痛み…夢から覚めたような感覚だった。
「まあ…そんな訳やからな…。
よろしく頼むわ…。
ほな…。
俺は…これで…。」
気まずい様子で立ち上がった半田刑事に最後の願いをこめて精一杯言葉を振り絞った。
「半田刑事…。
彼の事…。
濃姫の事…。
どうか…よろしくお願いします。」
それは…儚くも吉乃の願いだった。
つたない私が出来る彼らに対しての思いを込めて私は半田刑事に懇願した。
「わかったで…!?
頼りにしとってや!」
半田刑事は…親指をたててガッツポーズをすると…私の思いを心なしかだったが受け取ってくれたように感じた。