『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 心の思いの丈をぶちまけたと同時に…一筋の涙がこぼれた。


 「そっかあ…。
 わかった。
 絶対…その気持ちは秘密にするよ!!
 それと…。
 生駒さん…。
 俺と…付き合わない?」



 えっ…。



 「今…何て…?」



 突然…想いもよらない言葉に再度尋ねた。



 「だから…。
 俺と付き合ってよ。
 生駒さんの気持ちもしっかりききとげたしね。
 秘密を共有したいな。」



 「イヤイヤ…。
 そ~ゆう訳ではなくて…冗談でしょ?」



 私が慌てふためく姿を見て…徳家君はクスクスと笑った。



 「…冗談でこんな危険な事言わないよ。
 もし彼が…信長だとしたら…きっと君を取り返しにくるよ!
 それが…答えじゃない?

 もちろん…。
 返事はゆっくりでいいから…いいお返事期待してます。」



 開いた口が塞がらずポカーンと間抜けな顔で立ち尽くしている徳家君に、直も本気か嘘かわからない命がけの告白をしてきた。



 「あれ…。
 あんた…?
 あっ…。
 ちょっと待ってよ!!」



 ちょうどそんな時…病室の扉の向こう側から…諷馬の声が聞こえてきたのに私と徳家君は気づいた。



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