『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
病室の扉が開き首を傾けながら…諷馬は府に落ちない顔で病室に入ってきた。
「さっき…。
あの例の逃亡者…そこいたみたいだけど…声かけたら走って逃げて行っちゃったよ!」
諷馬の言葉に…私と徳家君は顔を見合わせた。
「えっー!!」
私と徳家君は声を揃えて叫んだ様子に諷馬は耳を塞いだ。
「ど…どーしたんだよ!
いきなりデカイ声だしてさ…!?」
「どっちにその人…走っていった?」
徳家君は諷馬に詰め寄り尋ねた。
「あっちだけど…。」
諷馬が指を指した方角を確認すると…徳家君はそのまま部屋を飛び出して後を追いかけた。
「どーしたの?
徳家先輩…?」
徳家君の様子に呆気にとられた諷馬が尋ねた。
「とにかく…!
早くいいからっ!?
彼らの後を追うわよ!!」
困惑する諷馬の背中を押して…病室から追い出し自分もベッドから飛び降り部屋を続けてでた。
何で~いつも身を危険に晒して行動するんだろっー!
諷馬達の後をおいながらそんな想いに胸が締めつけられた。