『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 病室の扉が開き首を傾けながら…諷馬は府に落ちない顔で病室に入ってきた。


 「さっき…。
あの例の逃亡者…そこいたみたいだけど…声かけたら走って逃げて行っちゃったよ!」



 諷馬の言葉に…私と徳家君は顔を見合わせた。


 「えっー!!」


 私と徳家君は声を揃えて叫んだ様子に諷馬は耳を塞いだ。


 「ど…どーしたんだよ!
 いきなりデカイ声だしてさ…!?」


 「どっちにその人…走っていった?」


 徳家君は諷馬に詰め寄り尋ねた。


 「あっちだけど…。」


 諷馬が指を指した方角を確認すると…徳家君はそのまま部屋を飛び出して後を追いかけた。



 「どーしたの?
 徳家先輩…?」



 徳家君の様子に呆気にとられた諷馬が尋ねた。


 「とにかく…!
 早くいいからっ!?
 彼らの後を追うわよ!!」



 困惑する諷馬の背中を押して…病室から追い出し自分もベッドから飛び降り部屋を続けてでた。



 何で~いつも身を危険に晒して行動するんだろっー!


 諷馬達の後をおいながらそんな想いに胸が締めつけられた。


< 247 / 649 >

この作品をシェア

pagetop