『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
全くいつまでたっても子供なんだから…(汗)
濃姫のいきさつを聞きながら‥相変わらずな殿の言動に深いため息をついた。
「私も探していたとこなの…。
実は…病室の前にいたみたいなんだけど、うちの弟が声かけたら逃げだしちゃったみたいなのよね…。」
「もうっ…。
ほんと手を妬かせる人…!」
濃姫はあきれた様子で頭を抱え空をふっとみた時だった。
シュルシュルシュル…。
私達の間目掛けて楔のような物が2階の窓から突然振ってきたのに気づき声を上げた。
「危ない…!?
ねえ様…!?」
濃姫は…とっさに私の前に出て左胸に楔が命中した。
「きゃぁぁぁぁっー!
濃姫ーーーーーー!?」
それは…一瞬の出来事で何が起きたかわからなかったが…ハッキリとこの目に楔が濃姫の左胸に突き立てられた光景が目に焼き付いた。
崩れかかった濃姫の体を支えた…。
「大丈夫!?」
私は濃姫の着物を緩めたその視線の先に…先程の文箱が楔を受け止めてくれていたのを確認してホッとしたのも束の間私は次の瞬間…視線が釘付けとなった。