『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
謎の逃亡劇~その10~(続・隣人は…天下人!?)
…キツノ…!?
き…つ…の!?
吉乃…!?
頭の中で目の前で螺旋を描くように声がこだまする。
その後……………。
ピチチチ…。
鳥の囀りが聞こえ緩やかな風が頬を吹き抜け撫でるような感覚に気づき…ゆっくり目をあげた。
「良かった!?
真帆…!?
大丈夫…!!」
「ママ…?」
「もう目が冷めないんじゃないかと思って~ママ心配したわよ~!?」
私に抱きつきワア…と甲高い声を上げた。
「全く…。
大袈裟なんだから…(汗)!!
真帆…大丈夫かい?」
「パパ…!!」
そんなママを横目で軽蔑的な視線で見ながらパパの優しい言葉が身に染みた。
「私…。
生き延びたんだ~!」
あのハリウッドも顔負けな日本で有り得ない天と地の銃撃戦から…まさに戦場アナウンサー的な危険を味わい生還した気分になった。
私…。
今のままだったら戦場ルポライターにはなれないな…(汗)
今でも思い出すだけでも…喉が乾いてきて生唾をゴクリと飲み込んだ。