『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「怖かったね…。
もう大丈夫だよ…。」
パパの優しい言葉を聞き…私は感極まって子供みたいに泣き出した。
「パパ…!
ママ‥!
‥ぐずっ‥。
ゴメンナサイ‥。」
パパの優しい言葉と抱きしめられた温もりに…私は年甲斐もなく子どもみたいに泣き出した。
パパとママはこんな私でも…受け入れてくれる環境があるということに、心の底から嬉しく思いそんな二人に心配かけちゃった事を申し訳く思った。
―――この日を境に…あの京都での出来事がまるで嘘のように…いつもの日常を取り戻した。
あんな事件に巻き込まれたというのに、怪我ひとつもなく極度の過労と診断された私は…2、3日の入院を余儀なくされたが…3日後無事に退院して久々自宅に帰ってきた。
大学の方は…体調が良くなるまでゆっくり休養できるようにと…権田教授が大学側に手配してくれたお陰もあり…とりあえず自宅療養という名目で時期はずれの長期休みを送っていた。
「はあ…。
自宅療養も楽じゃないね…。」
「出かけてくれば…いいじゃない!!」