『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「いやあ…。
でも…僕…。
それじゃあ…もっとパパやママにも迷惑かけちゃわないかな?
パパとママ…ますます喧嘩しちゃうよ!」
少年は…うーんと困った顔をした。
「あれっ!
明石君…!
また…学校サボってダメでしょう!」
ふいに小声で明石君という少年を見つけ声をかけてくれたシスター姿のお姉さんに気づき明石君はバツの悪そうな顔で膨れっ面で低く「はあい…。」と頷き足早にランドセルをしょって図書館の出口を目指した。
「…明石君っていうんですね……。」
小声で先程のシスターのお姉さんに尋ねると…彼女は周りを気にするよう見回した後小声で尋ねた。
「ええ…。
何か話してました?」
「えっ…。
なんかパパとママが仲が悪いから家に帰らないとか…だから学校に行かないんだって言ってました。」
シスターのお姉さんは…「またそんなこと」と呆れて呟いた後…続けて話した。
「ちょっと風変わりな子に見えてしまいがちなんですが…素直でよい子なんですよ…。
学校でもとっても頭脳明晰な子みたいですし…ここの図書館にもよくきて本を何冊も熱心に読んでるみたいですしね。」