『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「へえ…。
そうなんですね…。
明石君かあ…。」
少年が走り去った後を見ながら呟き…シスターさんに一礼して読書室に戻った私は受付のカウンターへと向かい貸出の手続きを済ませて図書館の外にでた。
「はあ…。
あっ…。
卵買いに行かなきゃ…!!」
危うく母に押しつけられたお遣いを忘れる所だったけど…とりあえず気を取り直して近くのスーパーに向かった。
スーパーの中に入った私を待ち受けていたのは…広告の宣伝効果で主婦の皆さんが圧倒的な割りあいをしめて賑わっていた。
「この中をかいくぐれと…(汗)」
きっと母はこれが面倒だから‥私に押し付けたんだなあ‥と母の思惑を知り渋々人混みの中に身を投じた。
なんとかおばちゃま達を…かいくぐり卵に手を伸ばしたにも係わらすあと数分の差で卵は品切れとなり私は卵を目前に手に入れる事が出来ず途方にくれた。
「仕方ない…。
卵…。
別のとこで買っていくか…。」
大きなため息をつき…うなだれた私の目の前に卵が差し出された。