『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
武士ドル…始動!?
愛の運転で辿り着いた私達は…ひとまずマンションの中へと案内された。
「いやあ…。
ほんと…びっくりしたわよ―。」
お茶をテーブルの上に置きながら…愛は私達3人を凝視した。
「どうぞ…。
どうぞ…。
お茶飲んで下さいな。」
未茶から促され私と諷馬は一礼して手にとり口に運ぼうとしたが…殿は出され湯のみ用のカップをお上品に手に持ち…3回程回して飲み始めた。
その様子を唖然と見ていた…愛は、私をグイッと自分に引き寄せて耳打ちした。
「な…何してるの?」
「ごめん…。
よくわからない……。」
お茶を何回かで飲み終わった後…。
「うん…。
まあ…だいぶ茶の湯の真髄も変わったが旨い茶であった。」
殿の一言を聞いた――――――愛は目を丸くしながら作り笑いを浮かべた。
「アハハハ…。
お気に召して頂いて良かったですわ…。」
完全に―――困惑してるわね…(汗)
「“茶道”の心得をご存知とお見受けいたしました。」
その様子を物珍しそうに見ていた未茶だったが‥興味深そうに尋ねた言葉に私達と愛も納得して顔を見合わせて頷いた。