『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 「いや…飲まないという事はありませんが…ねえ…未茶!!」


 返答に困った愛は…未茶に助けを求めて質問を投げた。



 「ええ…。
 もちろん…。
 今でも“白湯”と申したり‥また“お湯”と申したりいたしますわ‥。
 白湯を飲まれる方もおりますが‥現代ではいろいろな飲み物が外国から入ってきまして‥飲む物が増えたせいもあり、白湯を飲む機会も昔と致しますと口にする頻度も減ったのかもしれませんわ‥。」


 未茶の言葉に終始ご満悦な表情で殿は答えた。


 「コンビニに行けば…見た事もない飲み物が山ほどあるしのう!!

 わしも…異国から入ってきた…ビールという飲み物を口にしたぞ!
 …あとコーヒーという苦味のある飲み物も口にした…。」



 「意外に…口にしてるのね…。」



 愛が私に小声で耳打ちしながら突っ込んだ言葉に苦笑いした。


 「あっ…。
そうだ…。
 殿は何故…うちの隣に引っ越してこられたのですか?」


 話題を変えた私を見つめた殿は…少し俯いた後…ゆっくりと話始めた。


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