『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「本当は…吉乃達と別れた後、濃と話あいわしらの時代に帰るつもりであった…。
しかし魔王の書を使い施しを行ったのだが失敗してしまったのだ。」
「失敗ーーーーー!?」
殿の言葉にその場にいたもの達…全員が一斉に声をあげた。
「そうじゃ…。
まあ…。
それで…呪術がかかり若返ってしまったのじゃが…!
まあ…これは怪我の巧妙でよかったのじゃが…元の時代に帰るにはわしらが向こうで施しを行う前に誓った事を果たせねば…帰れぬという事がわかり…賛否両論いろいろあったが…わしの望みを果たす為にこの時代に残る事に決めたのが……ひとつ。」
「ひとつ……??」
丸い目を見開いた愛は…身を乗り出して尋ねた。
「さよう…。
もうひとつは…“朝廷に差し出す筈だった暦改定に伴う巻物”を奪い返す事がふたつ目じゃ‥!」
「ご‥ごめん‥!
全然‥理解できないんだけど‥!」
頭を抱えた愛は‥私の体を引き寄せて説明を求めたので‥再び‥今まで起こった数々の経緯を話した。