『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
殿の主張する“魔王の書”というワードが耳に残りさりげなく愛が聞いた。
「あのー“魔王の書”ってなんですか?」
愛の尋ねた言葉に殿は‥出掛けに支度したバックからおもむろに取り出しテーブルの上にのせられた一冊の本に皆釘付けになった。
「これって…!?」
諷馬がその表紙を見ながら心辺りがあるのか息をのんだ。
「…宣教師達はこぞってこの書物に記された内容を悪魔だのなんだのと…言って、書物ごときに怯えておったが…内容を読めば、この時代にも精通する程の未知なる事が書いてある…。
確かに呪いとかのモノもあるがなかなか面白いものじゃ…!」
殿の言葉に未茶が“失礼します”と断りを入れて…書物を開いた。
書物には文字で和訳された内容が筆で書きなぐってあったが‥達筆すぎて何が書いてあるのかわからなかった。
「未茶‥!
わかるの?」
愛も私と同じみたいで‥頼りの未茶に尋ねた。
そんな未茶だが…何やらページをパラパラと捲りながら挿し絵が描かれているページを開き答えた。