『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「内容はよくわからないけど…この挿し絵をみる限りだと…哲学や科学や天文や物理の事が書いてあるみたいよ…。
それに前に聞いた事あるのよね…。
古来のキリスト教で異教と唱えられていた中に…哲学、科学、物理、天文学などの文明改革に関わるモノが忌み嫌われていたらしくて…それらを研究したりする人達も異教徒としての扱いを受けていたって史実もあるみたいだから…あながち宣教師達が恐怖に思うのも無理ないと思うわ…。」
「そうなの…?」
私達は未茶の知識に感心しながら声を揃えた。
「俺もそれ聞いた事ありますよー。
恐らく宗教の思想を貫く上では…それらの文明が進化して物事の善し悪しを結論づけられたら困るからなんだろうけどさ…。」
「でも…なんでその禁忌といわれている書物を今からキリスト教徒の信者を増やそうとしている日本に持ってきたのか…って事だよね…!」
諷馬の言葉に続けて疑問に感じた事を打ち明けた。
「そこなのよね…!
信長様は…この書物を読みなぜ実践しようと思われたのですか?」