『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 私の質問に賛同した未茶は…殿に矛先を仰ぎ尋ねた。


 「正直…。


 自分は神や仏の事など…さほど信じてはいなかった。


 だが吉乃が病に臥し日に日に衰えていくのをみるたびに…なんとかせねばと思うようになって神や仏でも何でもよいから吉乃を助けて欲しいと宣教師に相談したのだ。


 そしたらその書物をひっそり渡してくれた宣教師がいたんだ。


 それ以来…とにかくこの書物に吉乃の病を治す手立てがないか調べたが…まだ施しも習得してないうちに吉乃が死んでしまった。


 あの日以来…。


 自分も死に対する恐怖を感じたのは事実だ…死によって失う物の大きさに気付いた。


 吉乃が死んだと思いたくなくて…とにかく吉乃を生き返らせる方法がないかを探しすようになったある日…時空という物には未来に通じる異次元の扉がある事が書いてある内容を見つけたんだ。


 そこで…吉乃がわしと話してる時に…次の世に生まれ変わって…という話を思い出し吉乃が転生する世界で、もう一度吉乃と共にやり直したいと思い…このかかれてある方法にそって施しを決行する為着々と物事を進めた。」



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