『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 諷馬を笑顔で追っ払った未茶は私達を再び見つめた。



 「私…。
 今…あの人気写真家の羽柴 豊さん〈ハシバユタカ〉にモデルとして本格的に起用したいって言われてるんだよね…。

 良かったらお友達紹介してって言ってたから聞いてみようか?」



 「えっ…!
 羽柴豊さんって…あの人気写真家の羽柴豊さんの事…?」


 未茶から打ち明けられた言葉に尋ねた。


 「うん…。
 そう…。

 最初はね…。
 写真のアシスタントのバイトで入っていたのよ…。
 そしたらたまたまその日モデルの子が調子悪くてこれなくなったみたいで…私がやることになっちゃったんだ…。

 一度だけって話だったんだけど…なんか気にいられちゃったみたいで執拗にモデルを頼まれてるんだよね…。


 私もエキストラ関係で芸能事務所に登録してるからそっからの経由でも話が来ちゃってるんだよね…。」



 未茶の話に唖然としながら感嘆をもらした‥その横で愛が話に割り込んできた。


 「…やだ…!
 あの人…根っからの女好きで有名じゃない?

 女の子ばかり…写真に起用してるみたいだしさ…。


 未茶…大丈夫なの?」





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