『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
なんか殿に見つめられると私って弱いな…。
今更な事を痛感しながら顔を赤らめて視線を逸らした私にまたイタズラな笑みを浮かべいきなり…鼻に唇をよせてキスした。
これには…さすがの私も思わず恥かしさからか…目をつぶり顔を紅潮させ更に目を合わせる事が出来ずに小さく殿の腕の中にうずくまった。
「どうした?
鼻は苦手か…?
赤くなった鼻が動物みたいで気にいっておったのに…!」
今度は…耳元で囁かれ後…耳の付け根にキスされた私は両手で…顔を覆った。
心臓がもう飛び出しちゃいそうなほど…ゆっくりと重く鼓動を刻み息苦しさまで感じる。
「…なんだ耳もだめか?
相変わらず変わらぬのう…。」
なんだか完全にオモチャ扱いされているような状態で…まるっきり歯がたたない…。
「からかうのは…おやめ下さい!!!」
それでも恥ずかしさから語調を荒立て殿に反旗を翻してみせると…殿はいきなり強く私の覆った両手を顔から剥ぎ取り床に抑えつけると同時に私の体に乗り上げながら唇に殿の唇が強く押し当てられた。