『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
息づかいが荒くなり頭の中は何も考えられなくなりそうだけど……さすがに今ここではマズイだろっ…!
なんてたって…近くに弟が寝てるというのに…さすがに考えようよ―――!(泣)
心の中で叫ぶ声を発っする声は形になる事はなく遮られた唇によって私の中だけでこだましている。
身をよがらせて抵抗しようにも…殿のキスはドンドンお構いなしに押し付けられてくる。
ジッーーーーーーー。
殺気にも似たような感覚を背中に感じて…私は押し付ける殿の胸元を押し出した。
「何……してるわけ?」
座った声で諷馬がうなった。
「あっ………!
いや…!
そのっ…………!」
諷馬の怒った声色に私はうろたえつつ言葉を発しようとしたが…殿は私の体をひきよせた。
「なにと申さなくても…そなたも男ならわかるだろっ…!」
そんな…闇雲な茶釜に爆弾いれて油を注ぎこみ火を放つような爆弾発言をコロッといっちゃった…殿に諷馬は怒りなのかそれとも恥ずかしさからなのか赤い顔で立ち上がると扉に向かって歩きだした。