『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 そんな殿が撮影場所で…大人しく撮影の指示に答えてくれるかが最大の難関だ…。



 「殿‥。」



 箸を置いて私は殿に向き直った。



 「なんじゃ…?」




 お味噌汁をご飯にかけて…猫まんまにして頬張りながら殿は答えた。



 「私とお願いして欲しい事がございます!

 まず…一つ目。
 怒らない。
 二つ目…。
 怒鳴らない。
 三つ目…。
 悪態をつかない。
 四つ目…。
 ケンカをしない…。
 五つ目…。
 殴らない。
 六つ目…。
 蹴らない。
 七つ目…。
 人を殺さない…。
 間違っても斬りつけたりしない。
 八つ目…。
 笑顔で好感よく接すること。」



まだまだいろいろ注意事項あったが…ひとまず殿が真っ先にやりそうな事をピックアップして念押しした。



 「ああ‥。
 わかっておる!

 濃にも散々いわれておるし‥まだここにきてひとつも首を取ってないのが‥何よりの証拠であろうが‥!

 まあ‥弟とは殴り合いはしたが…まだ生かしてやってる!」



 「当たり前ですっ!!!
 殿‥。
 私と夫婦になりたいと思うのであれば‥今いった事は必ず守ると誓って下さい!!」


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