『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「そうだ…!
撮影まで時間あるし…諷馬くんが殿をプロデュースするってどう?
名付けて…改造殿計画!!」
愛が諷馬と殿の不穏な空気を感じ提案した。
「なんで俺なんすか?
俺…絶対無理っす。」
諷馬は片意地をはりツンとした表情で愛に訴えた。
「いいじゃない!!
だいたいね…。
ここにいる男子は…殿と諷馬くんだけなんだから…お見立てくらいしてあげたくらいバチ当たらないと思うけどね…。
まずヘアーとか服装とか………!!
一流の写真家にあうんだからこの時代のメンズ代表としてやるべきよ。
羽柴さんに会う前にまだ時間あるんだしさ…。
はい…。これお餞別…。」
おもむろに取り出した封筒を差し出す。
「何…それ?」
突然差し出され封筒に慌てて声をあげると愛は未茶に目で合図した。
「本当は…サークルのみんなからお見舞いとして預かってたんだ…。
ほら…。
大学を休学するって話がでた時、どのくらい休学するのかわからなかったから…徳家くんに聞いたのよね…。
そしたら…入院してるって話がでたんだけど…面会謝絶っていうはないけど…ゆっくり静養してもらった方がいいと思うから…お見舞いは暫く待つように言われたんだよね。」