『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「大丈夫…。
信じて待ってる。」
殿も不安なのかも…と感じて、私は殿の頭を優しく撫でた。
「うむ…。」
あの時…同様…。
殿は力強く頷いた後……あの時…とは違い穏やかな笑みを浮かべた。
そして…お互いキスを交わしながらゆっくり私を下ろして再び顔を見合わせた。
「じゃあ…。
終わったら弟に連絡させる。」
「うん…。
諷馬…。
私をガッカリさせないでね!!」
「姉ちゃん…。」
ちょっと酷だとは思ったけど…諷馬に殿を預ける思いをこめて言い放った。
「早くいくぞ…!!!
さっさと歩け!!」
「痛ぇーなあ!!
つうかっ…押すなよ!!」
足取りの重い諷馬の背中を押して玄関の外へとほぼつまみ出し諷馬は殿を睨み外へと出たのを確認した殿は私に笑顔をうかべて外に出て行った。
その様子をあの時…同様見送った――私の背後ろから眩い光に景色が遮られた。
パシャッ………!
「大スクープ!!
熱愛発覚…こじれる三角関係…!?っていう見出しどう?」
発光した先に視線を移したその先に、カメラを構えながらイタズラな笑みを浮かべた…愛の姿を見つける。