『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
痺れを切らした権田教授は…深い溜め息をついて言い放った。
「信じられないな…。
非現実的な仮説でしか証明できないような事が起こるなんて…。」
権田教授の言葉に頷き電話口の戸倉教授も息を呑み答えた。
「最初は…自分もそうだったよ…。
そんな事仮説でも有り得ないと…でもそれを否定する事は…誰かがあの地下に入り込んだという説を立証する必要があるが…近年の地下道の状態を調べても…入り口は材木が崩れ落ち長年の月日とともに…道なる道は土で塞がれ唯一無事だったお堂も密室だった…。
加えて上から侵入する事は、最初に話をしたように…材木や土を地中深く掘り当てて入るという必要がある…その意味合いなど考えると全く仮説を立てる事がてきず行き詰まったのだよ…。
だから自分は…草鞋の後を追う事にしたんだ…。
そしたら…突き止める事ができたよ…。」
確信めいたその結末に…固唾を飲んで促した。
「それは…一体なんだったんだ?」
戸倉教授は…その質問に少し間をおき…慎重な口調で語り始めた。