『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「申し訳ない…。
権田教授に面倒な件をふってしまってまさか…こんな事態に発展するとは想定もしていなかった。
出来れば…力を貸して欲しいが事態が事態だけに…もし手を引くならばせめてよい案だけでもと授かれないだろうか?」
戸倉教授の憔悴仕切った力ない声に気の毒に感じ気持ちを奮い立たせた。
「このまま北上されたのでは…他人ごとではすまされない事にはなるし…旧友の頼みだ!
是非とも尽力を尽くしその逃亡者を保護しよう‥。
しかし‥その人物が気を引く物がわかればなあ‥。
何か他に心あたりはないのかね‥。」
権田教授の言葉に…戸倉教授はありがとうと深く感謝して言葉を伝えた。
「本能寺に保護されている…者達は、その人物を殿と呼んでいるようだ…。」
「…殿?」
戸倉教授の言葉にオウム返しで呟いた言葉に昼間の学生の寝言が頭の中で重なった。
「実は…今日、私の日本史の講義で居眠りをした学生がいるのだが…その学生が殿と言っていたんだ。
寝言だから信憑性にはかけるが夢の内容までは聞いていないし…もしかしたら何か関連づけるモノがあるかも…その学生を連れて是非そちらに向かうよ。」