『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「まあ…。
確かにドタキャンですからね…。」
未茶もそれをみて冷静に呟いた言葉に私も頷き公開録音で話すKen-sinとKabutoの両者を見つめた。
「…あれは…。
だれじゃ…?」
殿が私達の会話を聞いて…Ken-sinとKabutoの2人を指差した。
「あれは…。
今もっとも人気の高いアーティストでビジュアル系バンドのボーカル…Ken-sinと、もう1人は…ダンスグループのリーダーKabutoです。」
私の言葉を聞き終わるか否か…殿は前方のガラス窓に手をついて二人を釘入るように睨みつけた。
「…どちらも実力派ですし、今押しも押されぬ人気アーティストです…。
シングルやアルバムの総売上を総ナメにして…互いにミリオンという記録を弾きだし塗り替えながら…常にその首位の奪い合いを繰り返しているのでも有名で‥なかなか決着がつかないから業界でもどちらが勝利するのかと…毎回話題を独占しているアーティスト達なんです。」
「ふーん…。
首位争いか…。」
未茶の説明に興味深そうに二人を交互に眺めていた。
『Ken-sinさんは‥ボランティアのイベントで無償で出られるとか‥。』
FMラジオ局のDJがKen-sinに尋ねた声が外にもマイク越しで聞こえてきた。