『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 DJのシメの挨拶に二人とも答え丁寧に挨拶をして立ち上がった。


 その後…彼らはファンに手をふりながら公開録音のガラス張りのスタジオからでてくると大きく手をふりファンサービスをする間に係のスタッフが最前列のところにロープをはった…。

 しかし興奮したファン達は後ろからどっと詰め寄ってきたせいで…そのまま人波に雪崩れにのまれた私達は、身動きとれずに最前列へと更に押し流された。
人波はその間も押し寄せてきたのに態勢を失った私は…“立ち入り禁止”のロープの向こう側へと押し出されてしまった。


 幸か不幸かこの時…列から私は弾き出され倒れ込んだのと同じタイミングで、ゆっくりファンサービスをしながら…手を振り進行してきたKen-sinの胸に――なんとダイブしてしまう形になってしまった。



 一瞬…。
 何が起こったのかはわからない状況だが…華奢な腕とよい香りに包まれたあと何故だか少し膨らみを帯びた胸へと落ちた感触を感じ頭の中が真っ白になった。



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