『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
“えっ…。
微かな膨らみ…?”
濃君の時は思いもしない固い胸板を感じたけれど…今回のKen-sinの場合は…何かに締め付けられて誤魔化してはいるものの…暖かい温もりがふわりと伝わり膨らみに微かにバウンドした生身の感触に私は思わず赤面して胸元をジッーと凝視してしまった‥(汗)
その様子に感づいたのかはわからないけど‥私の両肩を掴み体から乱暴に引き離して一瞬…鋭い目で睨まれたその瞳の奥の冷たさに身を震わせた。
「大丈夫ですか‥?」
なおもKen-sinは…眼球を光らせて私から視線を離さずに凝視した目を細めたけれど‥その瞳の奥は笑っていなかった。
「‥ご‥ゴメンナサイ‥。」
あまりの恐怖に私は‥身の危険を感じ声を絞り出して答えた。
「‥みんな‥。
後ろから押したら危ないから押さないようにね‥。
今日は‥ほんとありがとう‥。
楽しかったよ…。」
私をゆっくり支えつつ掴んだ両手を離した彼は再びファンの方を向き直るとファンの人達に注意した後何もなかったように魅惑的な微笑を浮かべ手を大きく振った。