『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「キャッーーーー! ?」
そんな彼の言葉にファンはいっせいに黄色い絶叫の声をあげたその中を手をふりつつ立ち去り際…近くにいたスタッフの男性に耳打ちをして関係者用の出入り口の扉の向こう側に姿を消していった。
「君…。
大丈夫…?」
Ken-sinの消えた扉の向こう側をポカーンと見送っていた私だったが背後からかけられた声に我に返りその声の主の方向をみた私の目の前にあの…“Furinkazan”のKabutoが何やら思慮深い顔で私を気遣いながら見つめた。
「えっ…。
あっ…。
はい…。
私…。
あの…。
…これで…失礼します…。」
不慮の事故…ではあったけど…なんとなくこれ以上踏み込んではいけない気がして私はその場を退散しようと進めた足の臑に何かがあたった衝撃を感じ痛みで私は身をすくめた。
「大丈夫…?」
賺さず身を竦めた私をKabutoは気遣うふりをして不意に小声で囁かれた。
「…Ken-sinの何か秘密を掴んだ?」