『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
謎の逃亡劇~その2~(パーキングでの出来事)
「…と言う訳で自宅に電話をかけたら、ちょうど諷馬君がでて君に伝言をお願いしたという訳なんだよ…。」
これまでのいきさつを聞いた私は…ポカンと口をあけていた。
信じるとか信じないというよりかも…歴史に詳しくない私には…全く想像できない内容だったからというのもあった。
その様子を運転しながら聞いていた諷馬は…私の様子を悟り尋ねた。
「…姉ちゃんの見た夢ってどんな内容なわけ?」
間抜けな顔で口を開けていた私は諷馬の質問にハッと我にかえり夢でみた内容を思い返しながら…聞かない方がいいと想うけどね…と思いつつ手短に話した。
「参考になるかどうかは…わからないですけど…どこかの建物で殿となる人物と一緒に縁側で新緑の枝にとまった鶯谷を眺めながら話していた夢だったかなあ…。
その夢の中では…私は…殿としか呼んでいないから名前わからないけど…その殿なる人物は…私の事を吉乃と呼んでたくらいで後は二人で抱き合ってたから…恋人同士だったのかな?
詳しい事情までは…よくわからないけど…(汗)」
私の言葉に権田教授も諷馬も声を合わせて叫んだ!
「吉乃だとー!?」