『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
呆れた眼差しを受けながら隣で聞いていた諷馬はため息をついた。
「江戸時代のやつは…カゴっていうの!
輿っていうのは…天皇や大名の人達が使用していた乗り物で…天皇や大名のとこに嫁入りする時に使われたりしていたんだよ…。
今でも金持ちの所に嫁ぐ時、『玉の輿』っていうのは使用されている言葉だしそういう意味からも…語源として伝わっているんだよ‥。
そうそうみんなが簡単に乗れる物じゃないから‥権田教授のいうように側室の立場だとしても‥輿に乗れたっていうのは…よほど想われていたって事になるんだよ!」
へえ~と声を上げて諷馬の話を聞き感嘆を漏らした。
「諷馬君を見習い日本史をもっと勉強したらどうかね?
居眠りなんかしてないで…といいたいとこだが、今回は…その夢にも頼りたい事態だからな…。」
私と諷馬のやり取りを後部座席から見ていた権田教授は…私の無知さに呆れながらうなだれた。
やがて…私達を乗せた車は、高速道路のゲートを通過した先にパーキングを示す標識が見えてきた。