『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「なんだって!?」
目を見開き権田教授は驚きの声をあげたのに、私と諷馬も顔を見合わせる。
「なんだって…そんな事に…!?」
緊迫した状況に…権田教授は…私たちに気遣いとりあえず車外へとでて足早に進みながらパーキングの外に設置されている喫煙所のベンチに腰を下ろし事態の経緯を聞いていた。
「なんか…大変な事になったね。」
その様子を見ながら少し遅れて車外にでた私達は、キーレスで鍵をしめる諷馬に話かけた。
「だね…。
でも…ちょっと信じられないよね。
まだ…いろいろ証拠をみていないからだろうけど…一見、歴史マニアな犯人なのかなあって思ってしまうような感じだよ…。」
「だよね…。」
ちょうど車の前方にトラックが入ってきたのに…遮られながら私達二人はトラックが過ぎ去るのを待ちながら話を交わしやがて…トラックが過ぎ去った後にパーキングの建物へと進む。
建物と駐車場の道路を渡りきった後…権田教授の様子を確認した私達は…建物へと近づきトイレの手前で諷馬と別れて…私はそのまま建物の中に入りドリンクコーナーへと進んだ。
「どれにしようかなあ…。」
ドリンクコーナーを見つけ自販機の前に立ち一通り見ながら品定めしていた私の横に帽子を目深に被った作業服の男性が立った。