『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「いろいろ雑談したい事はあるだろうが…今は時間がないのでのう…!
柴田…!
皆をさっき言った教会まで乗せていってくれ…。」
「よっしゃ~!!
任せてくれや…!
そうと決まれば…俺の新車に乗り込んでや!」
「えっ…!?
し…新車ってーー!」
襟元を鷲掴みにされたまま外に連れ出された諷馬の叫び声に私達はふう…と溜め息をついた。
「さあ‥参りましょうか。」
濃君の言葉に私達は頷き戸締まりを終えた後‥‥諷馬と柴田さん…殿と続々と新車のトラックに乗り込んだ。
「うわあ…!
トラックの中広いねー!」
大型荷台のトラックに乗るなんて初めての経験に少し心を弾ませてトラックの床に腰を下ろした。
「さあて…!
これで…全部でええんですか?」
殿に確認しながら柴田さんは荷台の扉を閉めようとした時………。
「ちょっとーーー!!
待ってーーー!!」
突然の聞き覚えのある声に嫌な予感が走る。
「おっー!
ママ殿…!
今でるとこじゃ…!」
悪い予感的中し…昼間の出来事を覚えていたのか…ママをすんなり受け入れた殿は手招きをして中へと入れた殿に対して私と諷馬は…もちろん絶句…。