『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
そんなこんなで…私達を乗せた大型トラックは新居を後にして待ち合わせの教会へと向かった。
その間…殿はヤスケと赤外線で昼間にアドレスを交換していた番号へとかけた。
「おかしいのう…!
でぬな…!」
携帯電話を睨む殿に対して濃姫が言葉を続けた。
「…やはり…。
何か…策では…?」
「うむ…。」
濃君の言葉に苦い返事を返し殿はまた再び携帯電話を見つめていた。
「…メールで知らせます?」
殿の携帯を覗きこんだ私に頷きながら携帯を渡した。
「えっ…と…。」
アドレスから“Yasuke”と表示されたアドレスを見つけてEメールアドレスを選択した後メール画面に切り替えてみせる一連の流れをかなり至近距離で子供みたいに覗き込んでいた殿に尋ねた。
「ヤスケになんと伝えますか?」
私の問いかけに“うーん‥!”と唸った後‥。
「連絡求む!!‥で」
「了解‥。」
私が指先でサクサクっと入力していく画面を目を爛々と輝かせながら入力していく‥。