『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
最後の文面を入力して送信画面を押した後しばらくすると…送信しましたの文字をみて殿は興味深そうに顔をあげた。
「現代の矢文はすごいのう…!
おなごでも簡単に放てるとは…!」
「矢文…??
あっ…これは…。
メールというものです。
まあ矢文みたいなものかしら?」
メールを矢文といった人きっと殿が初めてだと思う!って内心思いながら携帯を渡した時………。
『♪~♪~♪~♪』
メール受信を知らせる点滅ランプと携帯に内蔵されている着信音が軽快に流れたのに再び殿は携帯を私に突き返した。
「なんと‥書いてある?」
メールのマークを指差した殿に急かされて私は新着の受信メール画面を開く。
『今‥タダオキがきてガラシャと揉めてる‥!
とりあえず‥教会の門のとこで待ってるので早く着てください。』
受信メールを読み上げた私に‥みんないっせいに詰め寄り携帯の画面を覗き込んだ。
「ガラシャと忠興ってまさか‥例のあの!?」