『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「ちょっ…ちょっと…!!」
興奮気味でいっせいに興味本位で聞かれ私は思わず後退りした。
“キィッーーー!”
ブレーキをかけた音が聞こえ車体は停車した後…外側から何やら揉めてる声が聞こえてきた。
その声に殿は賺さず荷台の扉に張り付くように走りよると…扉を叩いた。
「柴田!!!
ここから早く出せ…!!!」
殿の声が荷台の中から外へ漏れたのが聞こえたのか…やがて扉が開かれた向こう側に昼間あったガラシャさんと…恐らく忠興さんであろう男性が言い合いをしていた。
「だから…あなたは誤解してます!!
私と神父様の間に何もございません!」
ガラシャさんは冷ややかな顔で淡々と声を張り上げた。
「じゃあなぜ…!!
家のことをあの神父が知っているんだっーー!!
あの神父めっ…!!
化けの皮をはいで成敗してやるっ……!(怒)」
かなりご立腹の様子で両手を広げて教会の中に入れないように抵抗するガラシャさんの顔を荒々しく押した直後…そのまま背後によろけた彼女の体を支えて男性を睨みつけた。