『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
殿は3人を見回して踵を返して私達とトラックに乗り込み様明石少年が扉の前まで走りよってきた。
「あの日齋藤道三様が去り際のあなたを見て…刃を向けていたら終生うつけと笑われるだろう…と言っていた事今なら身にしみて思います…。
どうか…無事の帰還心待ちにしております。
あと‥ありがとう…御座いました。
―――ご武運を…!」
明石少年は殿の背中に向かって…大声を張り上げて伝えた。
殿はそのままトラックに飛び乗り不適な笑みを返したのを見て明石少年も笑顔を返して一礼した。
これで400年のしこりがとれたとは…ヤッパリいかないかもしれないけど…殿と光秀の間に少しずつだけど絡まっていた何かが溶け始めたように感じた。
やがてトラックの扉が閉ざされ…エンジンの音が鳴り響いたのを聞き身を翻した殿の声にみんな高らかに声を重ねて拳を天高く振り上げた。
「―いざ…出陣じゃ…!!――」